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☆  あい らぶ    LAB   ☆

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ホテルの夜★

ホテルの夜★



♪夏が来~れば思い出すぅぅぅぅ♪

あれは忘れもしない○年前の○月○日(←忘れてるじゃーん)。
当時は東京出張と言えば、赤坂日枝神社のお隣のキャピ○ル東急を常宿にしていた私達。
私はこのホテルがことのほか、お気に入りだった。
いつも上階層のお部屋になるのだが、どういうわけかその日は珍しく2階のお部屋だった。
「まっいっかぁ、エレベーター酔いしなくて済むし」とお気楽に考えていた。
2階って結婚式場のバンケットなどがあるところだった。
客室は少ないらしい。

私がバスルームに近い方の壁際、そしてダーリンは窓際のベッドだった。
程よく疲れていた私はすぐに眠りに落ちた。ダーリンも同じころに寝たらしい。

真夜中、ふと何か気配を感じて目が覚めた。ダーリンの寝息が聞こえる。
寝てるんだな…そう思った瞬間、ただならぬ気配を感じて壁を見た。
そこに見えたのは作業服らしき服装のちょっと小太りの男性。その後ろにもう一人男の人のシルエット。
ふたりとも顔だけが無い。首から上がぼやけている感じ。
作業服を着ているから男性、と私が勝手に判断したのかもしれないけども。
恐怖のあまり固まってしまった。俗に言う金縛り。
私はそれまで金縛りと言うものに遭ったことがない。怖かった。ホントに怖かった。
身体は全く動かない。

テレビで観た話を思い出す。
「私にはあなた方を助けることは出来ないからあっちに行って!!」そう言うのが良いと。
でも言葉なんて出てこない。身体は相変わらず固まったままである。
こういう時って、その物体から目を離すことが出来ないんだよねぇ、何故か。
怖い怖いと思いつつジーーーッと見つめ合っている感じ。

でもいつまでもそうしてはいられないので何とかもがいてダーリンに助けを求めようと
右の方に身体をねじって彼を呼ぼうとした。
その瞬間! 顔の無い作業服の男が私のお尻をガシッと掴んだ。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。
でも実際は私の身体は動かないし声も出ない。恐怖でますます身体は固まる。
何とかしなければいけない。喉の奥から声を振り絞ろうとする。
そのうちにかすかに声が出るようになった。自分でも怖くなるような
ヘンな声。
「あぁぁ、うぅぅ、あぁぁ・・・た・・・す・・・け・・・・・てぇぇぇぇぇ」
尋常ではない声にやっと気づいたダーリンが起きてきた。
「どーした? おいっ、大丈夫か? お~~~いっ、どーしたっ?」
助かったぁぁぁ、と安堵した瞬間を覚えている。
体がふにゃふにゃになり声も出るようになった。
「ごわがっだぁぁぁぁぁ」と言いながらダァダァと涙が出てくる。
ダーリンは私の額に手を置いて「熱はないな」そして
私の腕の脈を取り「ヨシ、大丈夫だな」と言ってトイレに行きやがった。
なんなんだよぉ。本当に怖かったんだから。
トイレから戻るとなにごともなかったかのように彼はベッドに。
夜が明けてから「あれはなんだったの?」と聞かれた。
いい人だな、アンタって(--;)

その次の出張から、予約の段階で「2階のお部屋だけはやめて下さい」と
お願いするようになった。
ホテルは変えようと言う気にはならなかったのは何故か。
今でもあのときのキョーフは身体にしみついている。
とくにお尻をつかまれたときの感触は忘れられない。


二度目に霊に出くわした話はこちら





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